フラットプレートの割れ解消かも

このブログでも今まで幾度となく書いてきた、板皿が素焼きで割れるという状況。
半分以上または全滅という事も何回もありました。
皹化粧については他の器に比べさらにリスクが高く、もう皹化粧のプレートはやめようかとも思っていました。
しかし注文にあなを空けるわけにもいきませんので原因を探りつつも2倍3倍の量を作る事で対応してきました。
フラットプレートの割れ解消かも_b0022655_13535516.jpg

前回の大失敗の直後などは、たまたま伺ったグループ展でそこにいる作家さんたちみんなに恥を忍んで訊きまくる次第(汗)
また、笠間の沼野秀章さんは僕のツイートを見てすぐさま電話してくれ、いろいろと参考になる事を教えてくれました。
本当にありがたい事です。
沼野さんとの話の中で乾燥についての話がありました。
その後振り返り考えてみると、うーん…攻めこむが故だんだんと乾燥時間についても麻痺してきてる事に気がつきました。
そして素焼きでの割れについての情報を検索していると、僕に陶芸を教えてくれた吉田先生のブログにあたりました。ここでは焼き方(詰め方)について記述されていました。
当然、僕はこの方から陶芸を教わっているのでこういった事は教えてもらっています。
あらためて思い出しました。

しかし、何年か前から効率よく窯詰めするために作品をきっちり本棚の本のように立てて詰める。
 ↓
たまたま上手くいく。
 ↓
繰り返す

こうしているうちに感覚が麻痺して始めに教えてもらった事を忘れていたのです。
乾燥についても同じように麻痺していきました。
そして、この窯の詰め方と乾燥は結局「水分」についての事なのではないかと感じています。
大きな要因の一つにたどり着いたような気がします。

そして、その原因は慢心です。

プロとしてやってく以上は効率をあげる努力をすることは必須ではあるのですが、今回の件では完全に基礎基本をおろそかにしてしまったようです。
土の配合を変えてみたり、制作行程はどんどん丁寧にしていったりとテクニカルな対応をしていったのですが…結論はもっともっと初歩の「ちゃんと乾かす」「隙間を空けて焼く」という事だったのかもしれません。

「かもしれません」というのは、まだ完全に確証があるわけではないからです。
良く乾かした作品をきっちり並べずに隙間を空けながら素焼きしてみました。
・2週間ほど前に皹化粧の小さなフラットプレートはほぼ採れました。
・今週、皹化粧ではない大きなフラットプレートもほぼ採れました。
いずれも違う要因での失敗はありますが今まで問題になっていた事は解消されているように思えます。

付け加えておくと、これまでタタラでもフラットでないものはそれほど割れませんでした、こういった事も要因にたどり着かなかった原因かもしれません。
あらためて基礎基本をしっかり見直さなければいけないなと実感しました。


今日は、なんとかたくさんのプレートを釉掛けすることが出来ています。
フラットプレートの割れ解消かも_b0022655_13535775.jpg


感謝

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by tenstone | 2012-09-28 14:54 | 技法・technique | Comments(6)
Commented by Iku at 2012-09-29 06:23 x
こんにちは。時折訪れては色々な情報を頂いて、勉強させていただいております。
少し前に橋本さんのブログをはじめ陶芸家の皆様のサイトで、皿の立て詰めの情報を拾わせてもらい、実行してまた学んだ新米者です。

お皿に関する別の件なのですが、不思議でたまらないので質問させてください。なかなか検索してもひっかかりません。
表面積が大きいプレート・皿を2度本焼きすると、割れるリスクというものが生じてくるのでしょうか。
初夏に一度フラットなプレートを本焼き2度目にダメにしていて、今週に高台のある直径26センチくらいになるお皿、一度目の本焼きで釉薬の具合がぱっとしなかったので、もう一度施釉して焼いたら、中央を拠点に3つに見事に割れていました。フラットのものも同じ割れ方でした。
温度上昇にも気をつけているつもりで、また、一緒に同じような皿を入れてもそちらは問題なく焼けるので、どうにも不可解です。
たまたま渦中になる皿のことを書いていらっしゃったので、思い切って質問させていただきました。
何かお心当たりあるようでしたら、アドヴァイス頂けると光栄です。宜しくお願いします。
Commented by tenstone at 2012-09-29 10:40
□Ikuさん
いつもありがとうございます。
焼き直しは僕もたまにする事ありますがほとんど割れた事はありません。
過去にあった経験は、
▶スカスカの状態で焼き、窯出しの温度も高めだった為の「冷め割れ」。
▶見えてはいないけど、そもそも割れていた。
これくらいでしょうか。
焼き直しの場合、昇温は気を使わなくてもいいとおもいます。
僕は通常の本焼きに焼き直し作品を入れて焼いています。
急ぎで止む終えず窯が満タンにならない時は棚板や支柱を入れ蓄熱が良いようにしています。
Commented by iku at 2012-09-30 05:19 x
貴重なご意見、ありがとうございました。参考にさせていただき、良い方向に器を導けるよう精進します。
ありがとうございました。
Commented by tenstone at 2012-10-01 09:59
□ hatori-tougeiさん
割れるプレートはたたらです。
たたらでもフラットなものに限ります。
Commented by Kチャん(ひさびさ) at 2012-10-03 21:56 x
感銘を受けました。
Commented by tenstone at 2012-10-04 10:32
□Kチャん(ひさびさ)さん
なにかの参考になればと思います。


札幌の陶工房&器ギャラリー【STUDIO TENSTONE】橋本忍の作品紹介や陶芸のお話。下のマイクマークからインタビュー記事へ


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