なには無くとも窯
陶芸家にとっての必需品といえば、まずは「窯」です。
左の窯が 200v三相13kw、右の小さいのは 200v三相8kw
この窯でも板皿を焼くのはつらいです。(素焼き窯としては本焼きの窯に対してちょうどいいサイズです)
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イメージ的にはロクロの印象が強いとは思いますが、焼かなければそれはただの粘土遊びです。
ロクロは無くても作品は作れますが焼かなければ陶器にはなりません。
ロクロは無くても作品は作れますが焼かなければ陶器にはなりません。
これから陶芸家になるという人に向けた話をしようと思います。
まずここでいう陶芸家とは、すぐには無理かもしれないけど職業としてそれで食べていくことを目指す人と定義しておきます。
陶芸窯にはいろんな種類があります。
電気窯・灯油窯・ガス窯・薪窯など。その規模も家庭用の小さな電気窯からトンネル窯や登り窯まで多種多様です。
僕は電気窯を使っているので他の窯については分かりませんが、電気窯のサイズについては考えがあります。
大きい方は本焼き、小さい方は素焼き専用に使っています。
素焼きの窯は数年前に中古で安く買い足したもので、もともとは13kwの窯1台でやっていました。
最近はちよっと焼く回数が減って月2〜3回ほどの本焼きだと思います。
回数が減った理由は、陶芸キャリアとともに手間のかかる作品が増えたことです。
《買うべきでない窯》
職業としていくには稼がなければなりません。通常は駆け出しの作家の作品は安値で売ることになりますが、その価格で利益=生活費を稼ぐには数量を売ることになります。
そう考えると焼成できる量が大事になるわけです。
100vの電気窯はあり得ません。サイズが小さすぎ1回にやける作品数は数点、しかも板皿も焼けないようなサイズです。
焼成面でも十分とはいえませんが、それは作風がそうだと言えば否定はできません。
僕の素焼き窯(8kw)程度の窯を検討する人がいますが、僕はお勧めしません。
経験的感覚ですが8kwくらいの窯でフル稼働していても作家として食える状態にはなりません。
もちろん1点の単価が高くなってくればそれも可能なことでありますが、器作りをメインとした一般的な活動だとすぐには単価が上がることはないでしょう。
環境(窯)のせいで作りたい作品、作るべき作品を制約されるのはとてももったいない事です。
電気の「三相/単相」についても「あまり使わなければ安くすむ」という理由で単相を選ぶとフル稼働した時に結局高くつきます。
職業としてそれ一本でやっていく気なら、それなりのサイズの窯をそれなりに稼働させなければ成り立たないのです。
小さな窯でまわるくらいだといつまでたっても食えません。その時に買い足すくらいなら初めから大きめの窯にした方が安上がりです。
自分なりのリスクをとることはとても大事で、それが目標や覚悟を明確にしていってくれると思います。
最後にもう一度言いますがこれは職業としての陶芸家についての話です。そうではないスタンスでの活動をする人は手頃な窯を買うべきだと思います。
STUDIO TENSTONE 同門展
うつわごと 2017
2017年11月1日〜6日
OPEN 12:00~19:00(最終日は17:00)
橋本忍 杉田真紀 水戸美鈴
岩山陽平 中島知之 飯田万綾
かやのあきこ 小野俊 土合由美
会場 : wad+
大阪府大阪市中央区南船場4-9-3 東新ビル3F
tel 06-4708-3616 http://wad-cafe.com/
うつわごとHP http://utsuwagoto.tumblr.com/
うつわごと 2017
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by tenstone
| 2017-10-20 01:31
| 陶芸コラム・column
|
Comments(2)
Commented
by
sakura-kama at 2017-10-22 18:23
窯の大きさについて、納得のご指摘ですね。
これから焼き物で食っていこうという人にはありがたいことだと思いました。
小さな薪窯で焼こうとしていますが、作り替えて大きくした窯が焼けずにいるので、窯が命を痛感しています。
これから焼き物で食っていこうという人にはありがたいことだと思いました。
小さな薪窯で焼こうとしていますが、作り替えて大きくした窯が焼けずにいるので、窯が命を痛感しています。
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Commented
by
tenstone at 2017-10-23 10:53
> sakura-kamaさん
薪窯作りをされているんですね、僕には全然わからない世界ですが頑張ってください!
薪窯作りをされているんですね、僕には全然わからない世界ですが頑張ってください!
札幌の陶工房&器ギャラリー【STUDIO TENSTONE】橋本忍の作品紹介や陶芸のお話。下のマイクマークからインタビュー記事へ
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